細かい経緯はすっ飛ばして
私が『キャラクター小説の作り方』を読んで
知りたかったこと、知れたこと、感じたことの3点をざっくり(長くなったのでいくらか畳みながら)記す。
基本情報
著書名:キャラクター小説の作り方
著者:大塚英志
星海社新書/2013年発行(2003年2月に講談社より刊行の同名書籍を底本とし、書き下ろしを加え、新書化)
私は市立図書館で借りたが某フリマアプリだと講談社版が安く手に入りそうだった。
・知りたかったこと
=私のやりたいこと
=ぼんやりとしたお話の構想をプロットという設計図に落とし込みたい、大まかな物語の形を作りたい
これに対する解答が
『「破綻のないおはなし」を比較的容易に可能にしてくれる「日程表」の作り方』として書かれていた。
用意するもの
①情報カード(B6)
②400~800字くらいのプロット
①は同じ大きさの紙ならなんでもok
②この時点では破綻してても問題ない
手順1
「場面」をカードに書き込む
手順2
時間軸に沿って番号を振る
手順3
カードをチェックする
手順1詳細
用意したプロットの各場面を1つの単位として、カードに書く。
書くのは登場人物、時間、場所、出来事、伏線、読者に与えるべき情報は何か。
プロット全てこの作業を行う。
穴あき(例えば詳しい出来事が思い浮かばない、セリフしか思いつかない)のカードがあってもよい。
手順2詳細
時間軸順に番号を振る。これは手順1との同時作業になる。
例えば場面2のあとに過去の回想シーンを入れたいとする。時間軸的に場面1より前の出来事であるならそれが場面1になり、元の場面1と2はそれぞれくり下がって場面2と3になる。
手順3詳細
揃ったカードを以下についてチェックする
①同じ場所が繰り返し現れていないか、それが意図してのことでないなら場所に変化を持たせる。
②長過ぎないか、同じ内容を繰り返していないか。その場合は場面を増減させる。
③前の場面で敷いた伏線を受ける場面は用意されているか。なければどこかの場面に入れるか新しく場面を作る。伏線が不要な可能性についても考える
④読者に伝えるべき情報が何も無い場面がないか。伝えるべき情報がそもそもそれでいいのか自分で疑う。
①から④の作業の中でカードの枚数を増やしたり削ったり中身を書き換えたりしていく。
この作業がある程度進んだ時点で初めて時間軸上の場面の入れ替え(回想シーンや、クライマックスを最初にもってくるなど)を行う。
カードを作る中で思いついたアイデアは該当するカードに記入しておく。
こういった一連の作業を著者は「ストーリー編集」と呼ぶ。
カード作りが難しい、そもそもプロットが出来上がらないという人は、プロの小説を1冊カード化するのを練習に挙げられていた。
私の疑問に対しての解答はここまで。
そもそもこの手法が別の本(私の知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる)に引用されていたのでこの本を読んでみたいと思ったのがそもそものきっかけ。
・知れたこと
個人的にへぇとなったのは
・TRPGの流行は2度目
・著者はリヴァイアサンの原作者
TRPGについて
小説を書く技術や考え方(後者の方が比重は高めか)を身に付けるのに、TRPGをプレイするのはかなり有用であると著者は言う。
プレイヤーはセリフを通してのキャラクター表現のみを特化して、ゲームマスターは脇道に逸れそうになるキャラクターを事前に考えたプロットに誘導することでお話を進行させる力が上達する。
プレイヤーやゲームマスターが参加する「世界」やルールを作るゲームデザイナーという役割もあるが、私が書きたいものが二次創作であるため今回は割愛。
リヴァイアサンの原作者
これは小説を書くことに直接的な関係はないが私としては1番衝撃を受けた内容だったので記録しておく。
リヴァイアサンはRevoさんがその昔「リヴァイアサン/終末を告げし獣」というイメージアルバムを出しているのである。廃盤となっていたがここ2年ほどの間に再販された。
サンホラ名義でなかったこととジャケットイラストの絵柄が好みではなかったため長らく食わず嫌いをしていたのだが事態は一変する。きっかけは昨年1月から3月にかけて公演のあった「Around15周年記念祭(絵馬コン)」である。
初参加にしてたった一夜であの場にいたローランをバイクで轢いて沼に叩き落とした猿田犬彦(廣瀬真平)の登場及び死刑執行のカヴァー。
死刑執行はリヴァイアサン収録曲の一つで、登場人物のひとり「犬神犬彦」の曲である。
直接明言されていないがRevoさんのことなので猿田犬彦の名前はサルタヒコとこの犬神犬彦から由来しているのはほぼ確実と言って問題ないと思われる。
因みに絵馬コン初日(2021年1月19日)公演後死刑執行がTwitterトレンド入りしたが原因は言うまでもなくである。
人生何がどこで繋がるか本当にわからない。
勢い余って中古でリヴァイアサン全巻購入したのでこれを機に犬神犬彦のことを知ろうと思う。
・感じたこと
先に書いたお話の組み立て方を目当てに読んだが、全体を通して小説を書くことについて考えるきっかけをもたらしてくれる内容だった。
30年ほどぶりにTRPGが人気を博している現代は小説に限らず創作する人間にはありがたい環境かもしれない。
これまでいくらか見てきた小説の書き方や絵の上達法などに共通して言えることとして「個性とはパターンの組み合わせである」という考え方は頭の隅に置いて創作するのがよいということ。
個性とは無から生まれるものでは無いと自覚して創作すれば「個性がない」と無駄に悩む時間もなくなるんじゃないかと思う。
とりあえずはプロットのカード化を試してみて、それでも駄目なら大好きなヴァイオレットの短編をカード化して研究してみることにする。
以上、かなり長め&若干脱線したところもありますが「キャラクター小説の書き方」についての話でした。
キャラクター設定の本質的な話など、まだまだ自分の中に落とし込みたいことがあるので今後も何かしら気づきがあればこのブログに書き溜めていきます。
拍手ありがとうございました!